相互交流部門

山梨市とキルギス共和国との交流事業について

yamanashi exchange
山梨市とキルギス共和国との交流事業について
コロナウイルスの蔓延の恐れから延期された東京2020オリンピック・パラリンピックは、2021年夏に開催されました。
大会に先立ち、日本政府は地方自治体と協力してホストタウン(開催都市)プロジェクトを実施しました。プロジェクトの本質は、合宿や競技会の際に日本の都市にさまざまな国の代表者を配置することにより、オリンピックに参加する国の代表団のメンバー間の文化的およびスポーツ交流を確立することでした。また、スポーツ、文化、経済など、さまざまな分野の参加国・地域の住民同士の交流を通じて、共生社会づくりを目的としたさまざまなイベントや取り組みなど、相互理解のプログラムを確立しました。

2020年2月28日、山梨市(日本)がキルギスの「ホストタウン」となり、パラリンピック開催前にキルギスからのパラパワーリフティングの参加者が集まりました。この協力プログラムの枠内で、キルギス日本センター(KRJC)は山梨市の公式アドバイザーとしての役割を果たしていました。この事業では、2020年12月から 2021年2月までで4回のオンライン交流活動を実施し、パラリンピック分野、障がい者共生社会づくり分野での情報発信などを目的とした各種交流・相互普及を推進してきました。
活動1
パラリンピック選手が語る、
心のバリアフリーと共生社会
2020年12月17日にパラリンピック前夜に日本とキルギスの相互理解を深めるための経験と知識を交換する最初のイベントがオンラインで開催されました。このイベントでは、交流活動の中心となり、東京大会後も継続的に共生社会の実現をリードする役割を担う山梨市、キルギスのパラリンピアン・関係者間で、双方のパラリンピック競技への取り組みについて紹介するとともに、心のバリアフリー、共生社会のコンセプトの認識統一を図りました。また、同じ障害者として、他の障害関係者に向けたメッセージを発信しました。

活動2
山梨市、キルギスの相互理解から始まる心のバリアフリー
2021年1月14日に、第2回のオンラインイベント「山梨市、キルギスの相互理解から始まる心のバリアフリー」では、障害者関係分野の考え方の理解を深める基礎となる、山梨市、キルギス双方の文化背景の紹介を行いました。また、障害者に関する取り組みと課題を紹介し、障害関係者の間において共生社会、心のバリアフリーに対する取り組み方の違いや課題について共通の認識を持ちました。

活動3
山梨市・キルギスの伝統文化・音楽が紡ぎ結ぶ共生の未来
伝統文化と音楽は、地球上のすべての国が「話す言語」です。文化と音楽は、言語的および地理的な障壁を克服できる独特の現象であり、性別、年齢、障害の有無に関係なく、相互に理解することができます。そのため、山梨市とキルギスの交流プロジェクトの枠組みの中で、第3回目のオンラインイベント「山梨市・キルギスの伝統文化・音楽が紡ぎ結ぶ共生の未来」の話題となりました。
このイベントでは、キルギスの盲目の歌手、グルムのパフォーマンス、山梨市の障害者施設における和紙漉きの紹介を通じ、障害を有することが可能性を狭めるものではないこと、また、大江戸太鼓のパフォーマンス、キルギスの伝統音楽との共演を通じ、交流による新たな価値創造の可能性についての認識を高めました。

活動4
パラリンピック関係者を対象とした日本における文化・マナー講座
2021年1月28日に、活動4「パラリンピック関係者を対象とした日本における文化・マナー講座」では、冒頭に山梨市長からキルギスの選手団への激励、今後の交流の推進に係る発言をいただいたのち、日本センターのスタッフを講師として日本のマナーや感染対策、現地で使える日本語などの講義が行われました。

交流事業について
さらに詳しく
この交流事業では紹介したオンライン交流事業のほか、SNSでの情報発信、障害者施設へのオンライン交流活動紹介ポスターの掲示、障害者施設への啓発冊子の配布を通じて、心のバリアフリー、共生社会を広く周知するための活動も行いました。また、SNS上で山梨との協力に関する記事を発行するたびに、簡単なアンケートを準備し、すべての投票に回答した最もアクティブな3名の参加者に日本のお土産やKRJCのオリジナルグッズ、また共生社会とバ心のリアフリーに関するパンフレットをプレゼントしました。
この交流事業を契機として、パラリンピック東京大会が終わった後も山梨市とキルギス共和国双方の文化・障害分野・パラスポーツ等に関連する交流を継続し、共生社会、心のバリアフリーの実現に向けた活動を進めていきます。