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豆類は、食料安全保障の向上に寄与する多くのユニークな利点を持つ重要な作物であり、干ばつに強いため、肥沃度の低い土地での栽培が可能である。収穫物は長期保存に適しており、適切な環境条件下における貯蔵寿命は5〜6年にも及ぶ。
キルギス共和国では、20年以上にわたり豆の栽培が行われており、特にタラス地方では豆類が主要な農作物として地域経済に大きく寄与している。タラス地方では、豆が地域の人口の75%以上に雇用を提供し、ほぼ半分の農地が現在、輸出用の豆の栽培に充てられている。
キルギス共和国では、豆の価格が年々上昇しており、世界の多くの国が主食として利用することから、特にコロナウイルスのパンデミック後の価格上昇は顕著である。しかし、今日の価格上昇にもかかわらず豆の販売レベルは増加しており、キルギス産豆類の輸出量も増えている。
キルギス産豆類の輸出
国家統計委員会によると、キルギスは世界22カ国に豆を輸出している。2021年1月から9月までの豆類の輸出量は、白粒を含む21,268.1トン、総額17億9,100万6億12.7万ソムに達した。トルコ、ロシア、セルビア、マケドニア、ブルガリアへの輸出が最も多く、イラク、スイス、イラン、オランダ、チェコ共和国、トルクメニスタン等を含む計18か国にも供給されている。
さらに、2022年には豆類が輸出製品のトップ10にランクインした。
グラフ 1:2022年1-6月のキルギスから他国への物品輸出(単位:百万ドル)
出典: Kaktus Media.
さらなる発展への道筋 豆市場の将来展望とリスク
Mordor Intelligenceによると、乾燥豆市場は大幅な成長を遂げており、この傾向は今後も続くと予想されている。スナック菓子や離乳食などの加工食品の調理にさまざまな乾燥豆が使われることが、豆の需要を促進する要因となるだろう。また、先進国におけるヴィーガンタンパク源需要の高まりは、豆の需要をさらに促進する可能性がある。
この傾向を考慮すると、豆はキルギスの農民の福祉を向上させ、農村部、特にタラス地方の全体的な貧困を削減できる潜在的なセクターである。豆の輸出は、このセクターの発展に重要な役割を果たすだろう。
豆を生産する多くの企業や起業家は、現在、豆粉、缶詰大豆、または大豆肉の形で完成品を加工して輸出することを真剣に考えている。
一方で、この市場にはいくつかのリスクが存在する。
製品の歩留まりと品質が毎年低下しているという現状があり、土壌の肥沃度の維持が課題である。この課題のために病気や昆虫の侵入のリスクが高まっており、土地劣化の危険性がある。また、単一栽培生産の場合、外部市場の変動に依存し、国内市場が不足する可能性も考えられる。
出典:
https://mineconom.gov.kg/ru/post/6621
https://ru.sputnik.kg/20200630/kyrgyzstan-ehksport-fasol-strany-1048847570.html
https://kabar.kg/news/v-antimonopolii-rasskazali-o-situatcii-na-rynke-fasoli-v-2023-godu/
https://ucentralasia.org/media/og1lspre/uca-ippa-wp43-kyrgyz-beans-value-chain-studyeng.pdf
https://www.mordorintelligence.com/industry-reports/dry-beans-market
写真出典:
(樋口)