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2023年1月11日付で、東京外国語大学とキルギス国立総合大学間で学術連携協定が締結されました。
ロシアを巡る国際情勢下、ロシア語教育を提供している日本の多くの大学は、学生の新たな短期留学先国の開拓ニーズ等を有しており、ロシア語を公用語とするキルギス共和国に対する関心も高まっています。そのような中、キルギス日本センター(KRJC)は2022年9月、東京外国語大学から、キルギス国立総合大学(KNU)との交流協定締結支援のご相談をいただきました。
KRJCでは、毎年秋に、カザフスタン日本センター、及び筑波大学(文部科学省「日本留学海外拠点連携推進事業(ロシア・CIS拠点)」)と共催で、日本留学フェアを開催しています。直近の3年間で、日本からは58校と、多くの教育機関に参加いただいています。また、KRJCでは、日本・キルギスを結ぶプラットフォーム機能の一環として、日本からの参加校のご希望に応じて、キルギスの高等教育機関との関係性構築に向けた支援を展開しています。この支援を通じ、直近の2年間で5件の学術交流協定が締結されました。同協定に基づくキルギスの大学生の留学も、既に複数進展しています。
今回、筑波大学からのご紹介で、東京外国語大学よりKRJCに相談をいただいたものです。以来、KRJCでは、KNUの国際部、外国人向けロシア語学部、及び日本語学科を要する東洋学部と諸調整を実施。10月には両校の交流協定締結に向けたオンライン会議の開催を支援し、その後も各種のフォローに取り組んでまいりました。その結果、今回の交流協定締結に至ったものです。
東京外国語大学からは、海外の大学との交流協定で、これほど円滑に進んだケースはなかったとの言葉を頂いています。KRJCが高等教育の分野においても蓄積したプラットフォームとしてのネットワーク、豊富な経験、ノウハウ等を、両校の相互利益に結び付く形で発揮できたことを、一同嬉しく思っています。
KNUは、2022年7月に大統領令で、広範な自治と特別な権限が付与された5つの国立大学の一つに選定された、キルギスを代表する総合大学です。KNUは、ロシア語を母語としない学習者向け能力試験の国際的スタンダードであるTRKI(英語略称TORFL: Test of Russian as a Foreign Language)について、モスクワ国立大学と協定を締結しており、TRKIに準拠した外国人向けロシア語教育プログラムが提供されています。また、KRJCはKNUの中に位置しており、コロナ禍前は、筑波大学からKNUへのロシア語短期留学生に、KRJCの図書館を利用いただいたり、日本文化紹介事業を手伝っていただいたりと、KRJCとも様々な交流を有していました。
キルギスは、「かつて日本人とキルギス人は兄弟で、魚好きが東に行って日本人になり、肉好きが西に行ってキルギス人になった」という、誰もが知る逸話がある、大の親日国です。顔や体つきも、日本人と大変よく似ています。今回の交流協定締結をもとに、東京外国語大学の学生がキルギスに、また、KNUの学生が東京に短期留学し、各自の目的を達成しつつ、日本・キルギスの将来の懸け橋となる人材へと育ってくれることを願い、楽しみにしています。