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キルギス共和国における農業投資機会
March 15, 2025

 

 

 

 

農業部門はキルギス共和国経済の根幹であり、労働力の40%を活用し、国内総生産(GDP)に約20%貢献している。1,050万ヘクタールの農地があり、農産物に対する税金が免除されているため、この部門は、特に有機農業、食品加工、輸出志向の生産において、前向きな投資機会を提供している。

 

主な投資機会

1.有機農業と高価値作物

  • キルギス共和国は、ユーラシア経済連合(EEU)市場へのアクセスと欧州連合(EU)におけるGSP+の地位により、有機製品輸出の機会を得ている。
  • トルコやロシアへの輸出に成功している金時豆のような、価値の高い独自の商品に対する需要が高まっている。

2.乳製品の生産と加工

  • トルコでは年間100万トン以上の生乳が生産されているが、国内で加工されるのはわずか2.5%である。
  • 近代的な乳製品加工施設への投資により、キルギスタンはEEUの生物学的検査基準を満たすことができ、ロシアやカザフスタンへの高価値輸出が可能になる。

3.食肉生産と加工

  • 600万頭以上の羊を有するキルギス共和国は、食肉加工拡大の大きな可能性を秘めている。
  • カザフスタン、アラブ首長国連邦、イランは食肉製品の主要輸出市場であり、加工能力への投資は競争力を高めるだろう。

4.野菜栽培と輸出拡大

  • 野菜輸出だけで6,190万ドルを占め、ウズベキスタンとの新たな提携関係により貿易機会が増加している。
  • 果物や野菜の加工施設を拡大することで、付加価値生産が増加する。

5.農業インフラと灌漑

  • 国家持続可能開発戦略では、生産性の向上と水の浪費削減のため、灌漑の拡大を優先している。
  • 近代的な灌漑システムと土壌肥沃度改善プロジェクトへの投資が強く奨励されている。

6.農産物加工と付加価値製品

  • 現地での加工施設が限られているため、多くの農産物は生の状態で輸出されている。
  • 食品加工技術への投資は、キルギスの農産物輸出の可能性を大幅に高めることができる。

 

投資家に対する政府の優遇措置

  • 免税措置:すべての農産物に免税措置が適用され、非常に有利な投資環境となっている。
  • 貿易協定: EEU加盟とEUにおけるGSP+の地位により、特恵貿易条件が促進されている。
  • 外国直接投資(FDI)政策: 政府は農業への直接投資を積極的に支援し、投資保護協定や貿易円滑化措置を提供している。
     


課題と考慮事項

  • インフラの限界: 道路や貯蔵施設など農村部のインフラが貧弱なため、物流コストが高い。
  • 規制の障壁: 輸出規制とEEUの食品安全コンプライアンスにはさらなる改善が必要。
  • 金融サービスの未発達: 手ごろな価格の融資へのアクセスが限られているため、中小規模の農業ビジネスの拡大が妨げられる。


キルギス共和国は、有機農業、酪農・食肉加工、高価値野菜栽培、灌漑インフラなど、多様な投資機会を提供している。政府の優遇措置、輸出市場の拡大、高品質な農産物に対する世界的な需要の高まりにより、日本の投資家はキルギスの農業の持続可能な発展に貢献しながら、大きなリターンを得ることができる。規制やインフラの課題に対処することで、キルギスの投資魅力はさらに高まるだろう。

(メーリム)

 

参考文献:

1. Investment Promotion and Protection Agency of the Kyrgyz Republic. (2023) Factsheet-1 Agriculture. Bishkek: Investment Promotion and Protection Agency of the Kyrgyz Republic.

2. Asian Development Bank. (2019) Kyrgyz Republic: Improving Growth Potential. Mandaluyong City: Asian Development Bank.

3. Investment Promotion and Protection Agency of the Kyrgyz Republic (2023) Digital Library. Available at: https://invest.gov.kg/digital-library/ [Accessed 7 March 2025].

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